MKPLUSは、日本発の革新的エネルギー技術企業として、次世代バッテリーであるVSSB(バナジウム固体電池)の研究開発と実用化を推進してきました。
その源流は2010年、仙台の東北大学で発足した研究グループにあります。
半固体バナジウムを安全に封入できる新しい膜材料の開発が進み、2016年には電池用途を想定した技術として日米で特許出願が行われました。
実用化に向けた取り組みは2020年、東北大学との提携を通じて本格的に動き始めます。翌2021年には産業スケールの試作機が完成し、量産化へ向けた技術基盤が固まりました。
さらに2022年第1四半期には、試作機がドイツTÜVの性能試験に合格し国際的な認証を取得。同年第4四半期には、日本国内の試作工場も稼働し、実装に向けた体制が確立しています。
グローバル展開が加速したのは2023年第1四半期です。オーストリアにEMPlusを設立し、欧州を中心とした事業体制を整えました。
EMPlusは子会社ではなく、EMENA地域(欧州・中東・北アフリカ)における独占的な販売・流通・技術開発ライセンスを持つ独立企業です。VSSB技術のEU特許や地域独占権を移譲することで、両社の連携はより強固なものとなりました。
またブルゲンラント州のアクセラレーションプログラムや、オーストリア政府のCOMETプログラムへの参加を通じ、欧州での研究・産業連携も順調に進んでいます。一方で米国市場への展開も始まり、事業領域は世界的に広がりつつあります。
現在のEMPlusは、
- EMENA地域における独占ライセンス
- スタッキング
- パッケージング
- バッテリーマネジメントシステム(BMS:ハード・ソフト両方)
といった独自の知的財産を保有し、EMENA地域における生産・技術開発を担う戦略パートナー企業(プロダクションホールディング)として機能しています。
2024年4月30日にはシリーズAの資金調達ラウンドを完了。
調達した資金は、日本国内の工場立ち上げ、オーストリア・ブルゲンラント州でのプロジェクト開発、ポーランドでの新規事業創出など、世界規模での生産体制構築に活用されています。